赤ちゃんを育てるように、日本酒は造られています!日本酒造り体験に参加してきました!
- 2018年1月22日
- 日本酒
ちわっす。
福岡のもつ鍋「赤門屋」の2代目店主
タキツバこと滝澤 翼 です。
さていきなりですが、こちらの写真は一体何の写真でしょうか?
正解は後ほど(笑)
えっと本日日曜日は赤門屋は定休日♪私はスタッフを一人連れて、福岡県久留米市田主丸の「若竹屋酒造場」さんの蔵へ行ってきました。
前日終わるの遅かったから。7時半出発はきつかった(笑)もう一人一緒にいく予定だったシンゴは、寝坊のため置いてけぼりです(笑)
いつも日本酒でお世話になっている博多区三筑のとどろき酒店さんと若竹屋さんの主催する日本酒造り体験に参加するためです。昨年5月の田植え、10月の稲刈り、そして今回は3回目の工程である「造り」をお手伝いさせていただきました!
日本酒は全国的に「寒造り(かんづくり)」といって、秋に収穫したお米を使って早いところでは11月くらいから、遅くて3〜4月くらいまでの寒い時期に、1年分の日本酒を仕込みます。ですので特に冷え込む今の時期というのは、蔵人の皆さんは朝から晩まで寝る暇もなく作業におわれ、身体的にも精神的にも追い込みをかけている時期だそうです。そんな時期に蔵に部外者を入れることは普段はまずないそうですが、今回は貴重な機会を頂けることになりました。本当にありがとうございました!
本日行った作業をざっくりとご説明いたしますと
お米を蒸す➡︎冷ます
➡︎麹菌を振る
この3つの工程です。昨年私たち酒造り体験参加者自ら収穫をしたお米を巨大な蒸し器(甑=こしきと言います)で蒸しあげ、蒸しあがったお米を平らに広げある一定の温度まで冷まします。覚まし終えたら麹菌をふりかけ、麹を作っていく。(麹とはお米に麹カビを繁殖させたもので、日本酒造りの大元になります)この作業を蔵の皆さんの作業を実際に見せていただき教えてもらいながら、私たちも体験してきました。
これが甑=こしきと呼ばれる巨大な蒸し器。正確な量はわかりませんが、こちらの蒸し器で大量の酒米を一度に蒸しあげます。写真は創業300年以上の若竹屋さんの14代目蔵元である林田さんです。忙しい作業の合間に、付きっ切りで蔵内をご案内頂いたりご説明いただきました。ありがとうございました!
蒸しあがると林田さんが左手に持たれているものを足につけ、忍者の「水蜘蛛」みたいな感じで直接釜の中に入り込んでスコップを使ってお米を運搬用の樽に移していきます。
バケツリレーで蒸米を運びます! pic.twitter.com/fIJqndGhvh
— 滝澤 翼 博多のもつ鍋【赤門屋】 (@motsu_akamonya) January 21, 2018
今回は参加者が30名ほどいたので、お米の運搬はこのようにバケツリレー方式で!楽チンでした( ^ω^ )
粗熱をとってから纏めて、麹室(こうじむろ)に移します。この後は麹菌を振って麹を作っていきます。 pic.twitter.com/PgXl7R8Eyp
— 滝澤 翼 博多のもつ鍋【赤門屋】 (@motsu_akamonya) January 21, 2018
蒸し米を平らに広げてうちわで仰ぎ、粗熱をとって行きます。この後布でくるんで、麹室(こうじむろ)と呼ばれる麹を作るための部屋へ運んで行きます。
麹室の中の台に蒸し米を広げ、ここである一定の温度までさらに冷ましていきます。
このように温度計を使って0.5度単位で温度を合わせていきます。仕込もうとしているお酒の種類によって、この温度も変わってくるみたい。
ここで冒頭の写真が登場!一定の温度まで冷ました蒸し米に、いよいよ麹菌を振りかけていきます!
麹室に広げた蒸し米に麹菌を振る作業。電気を消し私語も厳禁。厳正な雰囲気の中、米に神が宿る瞬間です。 pic.twitter.com/G7tEXMZ7Vb
— 滝澤 翼 博多のもつ鍋【赤門屋】 (@motsu_akamonya) January 21, 2018
この時電気を全て消し、私語も厳禁!厳正な雰囲気の中で、お米に麹菌が振りかけられていく。まさに米に神が宿る瞬間です。この後広げたお米を全て裏返して、両面にしっかりと麹菌を降っていきます。
麹菌を振ったお米はまとめて明日の朝まで寝かします。 pic.twitter.com/uSdxZhucfQ
— 滝澤 翼 博多のもつ鍋【赤門屋】 (@motsu_akamonya) January 21, 2018
あとはお米を布でまとめて、丸一日以上寝かしていくそうです。その間も随時お米の様子のチェックは欠かさず行います。手で触ってみたり温度を測ったり。時には朝まで1時間おきにチェックをすることもあるのだそうです。このような作業をひたすら毎日行っていく・・・。
今日の体験はここまでです。最後に仕込み中の樽を見させてもらいました。日本酒ってもともとこんなに濁ってます。お米を潰してるからね。これを濾してろ過して段々と透明になっていくんだって。楽しかったー! pic.twitter.com/3JSec55nkZ
— 滝澤 翼 博多のもつ鍋【赤門屋】 (@motsu_akamonya) January 21, 2018
こんな感じで本日の作業は終了!時間があったので、仕込み途中の別のもろみを見させて頂きました。⬆︎の動画の樽の中央にある金属製のもの。この中には冷水が通るようになっており、これを使って温度の調節を行っていくみたい。逆に温める道具もあるそうです。こちらでも数時間おきにチェックを欠かさずに行う必要があるみたいです。
さて一通り実際に作業を体験させてもらって私が感じたこと。
日本酒=赤ちゃん
日本酒は菌の力を利用して作り上げるもの。まさに生き物なんです。作り手の皆さんは1日中細かいチェックを欠かしません。朝起きて夜寝る、そんな人間のリズムの中で酒を育てていくのではなく、酒のリズムに自分たちを合わせて育てていく。小さな赤ちゃんを持つ母のようです。
夜中3時4時まで仕込み中の日本酒を見守り続け、6時に起きてまた作業に戻る。そんな毎日を繰り返しながら、自分たちの納得のいくお酒をつくるために頑張っておられます。昔雑誌で読んだのですが、造りに入ると蔵にこもってひたすら作業を続けていくため、造りの時期に入ることを「監獄に入る」と表現されている作り手さんもいらっしゃいました(笑)それだけ過酷な作業が続くということです。
この時期は酒屋さんにいくたびに、各お蔵さんの今期の新酒が届いており、日本酒好きとしてはドキドキワクワクでたまりません。こんなに私たちを楽しませてくれている日本酒の中には、作り手さんたちの確かな想いが詰まっているんですね!
本当にこだわって作られた物には、作り手さんの想いや人柄がたっぷりと詰まっているんじゃないかなって思います。そんな作り手さんの熱いハートにも思いを馳せながら飲んでみると、また違った日本酒の楽しみ方ができるんじゃないかなって、そんな風に感じています( ^ω^ )
今回私たちが造りのお手伝いをさせて頂いた麹は、このあとは一旦蔵の皆さまに育児をお任せして(笑)3月に入ってから最終工程である「搾り」に、また参加させていただくつもりです。搾ったお酒は今回体験に参加している飲食店それぞれのオリジナルラベルを貼って、それぞれのお店でお客様に飲んで頂けるようになります。3月の中旬以降くらいになると思いますが、また詳しくはお伝えしていきますので、ぜひ飲みにいらして下さいね!よろしくお願いいたします!
ということで若竹屋酒造上の皆さま、とどろき酒店さん、貴重な体験を本当にありがとうございました!
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