福岡の大行列店!「天ぷら ひらお」の塩辛の提供休止について思うこと。
- 2018年6月23日
- たきつばのプロフィール
ちわっす。
福岡のもつ鍋「赤門屋」の2代目店主
タキツバこと滝澤 翼 です。
先日、驚くべきニュースが福岡県内を駆け巡りました。
福岡の大行列店
天ぷら ひらお
名物 いかの塩辛の提供を休止!
えっとですね。
これだけでは特に福岡県外の皆様は「は?」とクエスチョンマークが頭上で踊っていることでしょう。ということで、まずは「天ぷら ひらお」についてご説明を。ひらおについては、次のブログが非常にわかりやすいので、ぜひそちらを読んでみて下さい。ただし2014年に書かれたブログなので、価格については少々上がっておりますのでご注意を。
食べ放題イカの塩辛が激ヤバ!福岡のアツアツ天ぷら専門店!ひらお
全部読むのも大変だと思うので、簡単にご説明しますね。
「天ぷら ひらお」とは、福岡県内で6店舗を展開する天ぷら専門店。座席はカウンターのみで、目の前で職人さんが揚げた天ぷらが、揚がったものからソッコーで運ばれてくるシステムで人気のお店。どちらの店舗も特にご飯どきは数十人レベルの行列ができる福岡でも屈指の人気店なのだ。
かくいう僕も熱狂的なひらおファンの一人なのですが、そんなひらおニストにとっては、絶対にスルーすることが出来ない大事件、それが「いかの塩辛 提供休止」の報せなのでござる。
ここの塩辛はね、ただの塩辛と甘くみてると本当に怪我をしますよ・・・。⬆︎のブログにも書いてあるけども、塩分控えめのさっぱり系の塩辛で、これだけで白飯がグイグイいけちゃうわけですよ。写真をよく見ると、何か黄色いものが見えるでしょ?これが「ゆず」の皮なのですが、このゆずの風味がほんのり( ^ω^ )
塩辛って言うくらいだから、本来はもっと塩辛くって、お酒のあてにちびちびやるのが、塩辛の本来の姿であり役割だと思うんです。むしろひらおの塩辛が異端すぎるんですよ。自分でも信じられないくらい、するするといけちゃうんだもん。おかげでいつも食べ過ぎて「あんたちょっと食べ過ぎよ!」と一緒に食べに行くマイハニーに怒られてしまう始末。この塩辛が目の前に、しかも無料で「ご自由にどうぞ!」と鎮座しているわけですから、こちとら白ご飯の残量と天ぷらの比率を守る戦いにおいて、毎回毎回大変な苦労をすることになるんです。天ぷらが目の前に運ばれてくる頃には、すでにご飯茶碗が焼け野原なんだもん。
でもこれは決して僕が悪いわけではないんです。ひらおの塩辛が悪い。ひらおさえなければ、僕はこんな想いをすることはなかったんです。ただ平和に過ごしていれたんです。ひらおさえ福岡になかったら・・・。でも現実は僕にとって厳しいものだった。
この塩辛を前にして己が本能を抑え込み、箸を休めることができる人がいるのなら、その人は尊敬に値する人間であるはずだし、一生ついて行ってもいいと思う。それくらい中毒性があり、福岡の人々を魅了してきたのがひらおの塩辛なのです。そんな悪魔の塩辛が、原材料の不漁を理由に、提供を休止されてしまった・・・。もうね、がっかりを通り越して泣けてくるレベル。しかも泣いているのは僕だけじゃない、福岡が泣いてるよ・・・。
しかし僕レベルのひらおニストになってくると、こんな報せをきいて、逆に行ってみたくなるわけですね。さて現場では一体何が起こってるんだと。それを見たくてたまらなくなるわけ。
えっと、一応断っておきますが、これはたまたま今日伺った時間がそうだっただけかもしれません。僕が立ち去った後はまた違ったのかもしれない。それでも衝撃だったこの光景。わかりますか?いかにも並んでる人々を整列させようと列を作るためのポール等があるのにも関わらず、誰も並んでいないことが。
ちなみに僕が伺った時間は、開店直後の10:50くらい。(ちなみに10:30開店)早めの時間とはいえ、いつもならこの時間でも店内は一杯で並んでいる人もいる時間帯。なぜなら良い時間帯は混んでることは分かりきってるから、僕みたいに早めに行っちゃう人も多いから。なのに今日はこれ。マジカヨ・・・。
何度も言いますが、たまたまこの時間がそうだっただけかもしれない。しかし、僕はこんな姿のひらおを見たくはなかった!(以前は大行列を見て文句を言ってたくせにw)ひらおと行列はセットでなければならないのです!たとえゲンナリするほど人が並んでいても、自分のすぐ後ろで殺気を放ちながら順番を待つ人たちの無言のプレッシャーを感じながら味わう至極の天ぷら・・・。ひらおに並んだ以上僕らは、同じようにひらおを愛す仲間でなければならない。次の人に席を引き渡すために、皆自然と動かす箸の速度も早くなる。意外と早く回ってくるんです順番が。そんな空気感も含めてひらお!HIRAO!ゆったり味わうことができるひらおなんてひらおじゃねーよちくしょうがっ!!!
でもね、忘れないでほしい。
ひらおはね、決して塩辛専門店ではないのです。揚げたての天ぷらを食わす店なの。天ぷらがうまいの!これマジで!今日はアナゴ天の定食をチョイス。喰らいつく歯を弾き返すほどのプリップリの身!卓上のごま塩で頂きましたが、これで千円以下ってマジカヨ!!!
ごめんなさいしつこく言いますが、これが本当に「塩辛事変」の影響だと言うのならもう一度冷静になってほしい、ひらおニストの同志たちよ!いくら愛する塩辛と離れ離れになったとはいえ、このままひらおに行く回数を減らしてしまっては、ひらおの業績はみるみると下降し、現時点ではまだ復活の可能性が残る愛しの塩辛ちゃんと、本当のお別れをしなければならない日がくるかもしれない!愛するあの子をもう一度貪り食うために、今こそじっと我慢してひらおに足を運ぶべきだろう!そうすればいつの日か、きっとまた会えるに違いないと僕は信じてます。
もっと前向きに考えれば、もしかしたらこの「塩辛事変」をきっかけに、塩辛に取って代わる名物が生み出されるかもしれないでしょ?(ごめんなさい、自分で書きながらそれはないよな、って気持ちもぶっちゃけあるw)そうやって這い上がってきたひらおには、これ以上ない物語性まで見にまとってしまうわけだし、だってないもんはないんだから。取れないものは取れない。嘆いても仕方がない。前向きに進んで行くしかないもん。この窮地に我々の愛するひらおが、一体どんな道を歩んで行くのか、僕はいちひらおファンとしても、同業者としても目が離せないわけなのです。
赤門屋だって、いつもつ鍋を作れなくなる日が来てもおかしくないわけで。今までも狂牛業とか、色んな壁がありました。(幸い2代目の僕は経験してないけどね!)もしかしたらもがくことすら出来ないような困難にぶち当たる日がくるかもしれない。
大切なのは、そういう気持ちを消して忘れず常に胸に抱き、日々自分にできることを全うし、進化し続けること。これしか僕らに道はないのかなって、そんな風に思うのでした。
福岡のソウルフード、福岡県民に愛された味、天ぷらの専門店・ひらお。これからもひらおを愛し続けることをここに宣言し、ひらおの物語を見届けることを誓います。
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